いま、店舗や売り場へ向かっている。投票や入金の画面を開いている。お金を用意しようとしている。

このページで、これから先ずっとギャンブルをしないと決める必要はありません。まず、今の一回を実行する前に、画面・場所・お金のどれかから距離を一つつくることだけを考えます。

いま、この三つから一つを選ぶ

  1. 画面か場所から離れる

    投票・入金の操作を止めて画面を閉じる。店舗や売り場へ向かっているなら、いったん別の場所へ移る。

  2. お金を動かさない

    ギャンブルのための入金、送金、現金の引き出し、新しい借入れの操作を、いったん進めない。

  3. 一人の中だけに置かない

    話せる人か公的な相談窓口へ、「いまギャンブルをしそうで、自分だけでは止めにくい」と一文だけ伝える。

全部をする必要はありません。今できるものを一つ選びます。

「やめる意思」だけでなく、行動までの距離を変える

国立病院機構久里浜医療センターの標準的治療プログラム「ギャンブル障害 STEP-G」は、ギャンブルを思い出したり、したくなったりするきっかけを「引き金」と呼び、次の考え方を示しています。

  • 引き金を特定する
  • できる限り引き金から離れる
  • 引き金に別のやり方で対処する

同プログラムでは、引き金になり得るものとして人、場所、物、気分、時間などを挙げ、避けられるきっかけを避ける、環境を変える、新しい対処を準備する、という方向も示しています。

ここで紹介する三つは、その考え方から、行動直前に確認しやすい選択肢だけを抜き出したものです。「この方法なら必ず止まる」という約束でも、STEP-Gのワークを自分で実施するための治療手順でもありません。

画面や場所から離れる

店舗、売り場、いつもの道、投票画面などが、ギャンブルへ進むきっかけになっていることがあります。STEP-Gは、代表例として、道を変える、店舗や売り場へ行かない、投票アプリ等から距離を取ることを挙げています。

今できる行動は、原因を完全に理解することではありません。

  • 投票や入金の確定操作をせず、画面を閉じる
  • 店舗や売り場へ向かう移動を止め、別の場所へ移る
  • ギャンブルに使う画面や場所が見えない状態にする

同じ場所にいながら我慢し続けることだけを選ばなくてもかまいません。まず、行動へ進みやすい環境から離れる選択肢があります。

ギャンブルのためのお金の操作を、今はいったん進めない

入金、現金の引き出し、送金、新しい借入れの操作を進めると、ギャンブルに使えるお金が近くなります。

STEP-Gには「お金へのアクセスを制限する」という項目があります。ただし、カードの扱い、家族へ任せるか、各制度を使うかは、人によって事情が異なります。この記事では、一律の金銭管理や制度利用を指示しません。

ここでは、ギャンブルのために新しくお金を動かす操作を、いったん進めないところまでにします。

借金や次の支払いがすでに問題になっている場合は、記事「ギャンブルの借金が返せないとき、最初に確認したいこと」で、公的な債務相談と依存症相談の入口を確認できます。この記事では、返済方法や法的手続を判断しません。

一人の中だけに置かない

STEP-Gは、対処方法の一つとして、相談できる身近な人に電話等で話を聞いてもらうことを挙げています。厚生労働省の依存症対策ページは、保健所、精神保健福祉センター、地域の依存症相談拠点などを公的な相談の入口として案内しています。

家族へ必ず話さなければならない、という意味ではありません。今連絡できる相手がいなければ、公的な相談先を選べます。

最初から経緯をまとめる必要はありません。

いまギャンブルをしそうで、自分だけでは止めにくいです。

最初は、この一文だけでも伝えられます。

相談先の役割を比べてから選びたい場合は、記事「ギャンブルのことを相談したい。でも、どこへ話せばいいか分からない」に、公的な窓口の見取り図があります。

「今日一日」より小さく、今の一回で区切る

消費者庁は、小さな目標を設定しながらギャンブルをしない生活を続ける工夫として、「まずは今日一日やめてみましょう」と案内しています。

一日が長く感じるほど衝動が強い読者に向けて、このページでは区切りをさらに小さくし、今開いている画面で確定しない、今向かっている場所へ入らない、ギャンブルのために今のお金を動かさないという一回だけを扱います。「今の一回」は、このページが読者の場面に合わせて置いた区切りです。公的機関の手順として紹介しているものではありません。

この区切りで衝動が必ず収まるとは言いません。何分待てばよいとも決めません。今の一回を実行する前に距離を一つつくり、その間に人や相談先へつながることが、このページで渡す選択肢です。

すでにギャンブルをした後に読んでいる場合

このページは、ギャンブルをする直前だけを担当しています。すでにギャンブルをした後の評価や意味づけは、ここでは行いません。